魔物が人間界にこしらえた侵攻用ポータルから逆に攻め込んで魔界を蹂躙するDRPG。
- 主観視点のダンジョン
- 装備にはレアリティごとに複数のランダム能力UPが付与されている
- ダンジョン内セーブ可
- 主人公が死ぬとゲームオーバー(半金で拠点再開)
- マウスとキーボード操作
- コマンド記憶・押しっぱなし連打・オード戦闘など一切なし
- 寝室は敗戦と好感度イベント
SIMPLE同人シリーズ THE 薄味
DRPGでよく見られる要素は取り入れられているが、取り入れている“だけ”という印象で内容が薄い。
色分けされたレアリティとかランダムな能力UP付与とか、探索意欲や射幸心を煽る下地はできているように見えるが、圧倒的に少ない宝箱や渋いドロップ率で最高レアを入手できるのはかなり稀で、拠点で頻繁に出会えるNPCの店売りのほうがよっぽど品揃えが充実している。
買ったほうが強くなれる矛盾にトレハン欲は消し飛び、装備の種類が少ないうえに基本性能やランダム能力UPはドングリの背比べなことも追い打ちをかける。
ダンジョンでのトレハンに期待は持てず経験値と金稼ぎの作業と化し、伝説の剣と鎧のような装備シナジーも一切ないからランダム能力UPの数値を見て取捨選択をする作業感が増す。
後述するがゲームパッドでなくマウス操作を基本とするのでテンポが悪いのも更に追い打ちをかける。
期待が暖簾に腕押し
ビルドはレベルを上げるとスキルポイントを振り分けて強化していく定番だが、アタッカーやバッファーなどの役割は最初から決められているため自由度がなく目標を設定しにくい。
寝室は個別イベントに相当する好感度イベントで唐突に始まるため取って付けたようで盛り上がらないし、そもそもイベント自体の数もなく個性を掘り下げて印象付ける前に強行されても蚊帳の外過ぎて空しい。
いきなりおっぱじめる貞操崩壊をしてるくせに、誰かひとりでも好感度を一定以上にすると他のキャラは攻略不可にする純愛推しをやる窮屈さ。それをするならイベントを十分用意して個性を描きプレイヤーを引き込み一人にしぼらせなければダメなのでは。
好感度3のままラスボス前でセーブしたうえで4に上げて一人ずつ開放……しようとしても4以上もあります地獄。しかも好感度4以降の寝室は1回目と2回目の絵を使いまわすだけ。
周回をして見てくださいということなんだろうが周回してやり込みたくなるゲームではない。負けイベントは勝っても回想には登録されるので意図的に負ける必要はなく一周で終わる。これは良かった。
操作も難あり。
操作はゲームパッドで遊ぶことを想定していないようで基本マウス操作になる。
移動は画面内の矢印アイコンのクリックで行うため視線がダンジョンでなく矢印に行き探索どころではなくなるし、戦闘はオートもコマンド記憶も押しっぱなし連打もないから連打連打の手間ばかり。
探索は薄味で期待が持てずマウス操作との相性も悪いから、育成や寝室など目的のためのハードルになるはずのダンジョンが期待に突き動かされる楽しい攻略でなく修行になってしまっている。
クリアまで約8時間ほど頑張ってみたが、DRPGも寝室もかなりの薄味でテンポも悪くあまりいいところはなかった。
シナリオも個別イベントも薄っぺらでキャラの魅力が掘り下げられておらず愛着が持てない。戦闘は買えばいいバランスだからトレハンにも期待が持てない。DRPGを形成する2大要素が薄すぎた。
・フルボイス
・回想は27
・引き継いで周回あり
・クリアしても回想開放なし
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