借金の形に連れ去られた牧場主と弟を取り戻すため奔走する牛の擬人化コスプレ娘の物語。
一本道のルートを自由度なく辿るなかで寝室イベントを挿入していくというRPG。
お金を稼いで借金返済が旅の目的になっているが、物語を進めていけば解決する程度の設定でしかなく、牛についても牛語とか言及したところで誰とでも意思疎通できる取って付けたようなもの。
唯一の牛っぽい要素は腕や脚の毛皮みたいな部分だけど……これがなんと着脱自在!! これでは牛の擬人化コスプレをして牛になりきろうとしている高レベルのHENTAIである。
人物描写に情緒がない
街で情報を集めてフラグを立てながら進める昔ながらの典型。
連れ去られた二人を追う過程で挿入される寝室は、シナリオ上の強制イベントなので大抵は避けることはできず、和の心はあったりなかったり相手にも幅があるので絵柄を含めてそこは好みと要相談。寝室キャラは主人公の他に、仲間のルト、悪役のカトレアがいて、複数人でまぐわう寝室なんかもありますが、設定はほとんど形骸化しています。
シナリオで気になるのは描写不足とイベントで選択肢を選ばせてもそれを汲む展開にならないこと。
選択肢なんて選ぶまでもなく寝室のため自ら桃源郷に飛び込むのだから、選んで介入させるからには何らかの変化がないと「なぜ選ばせた」という疑問が不満になってしまう。先に悪役の目論見を見せられた上でこの演出だからなおさら。
その悪役も色々あくどいことをやったところで即堕ち2コマのような快楽堕ちでしおらしくなるから分からせのカタルシスもへったくれもない。
意味のない選択肢や描写不足の作為的な展開では物語も寝室も情緒がなく、テコ入れ回の脈絡のないお色気シーンみたいになっている。
システム面をみると全滅する方が難しい難易度なので本質的に遊びやすくてありがたいが、「エンカウント率の高さ」「逃げるの成功率の悪さ」「コマンド記憶や押しっぱなし連打がない」「収集要素があるのにダンジョンが閉鎖される」など、10年以上も前のゲームなだけにプレイが窮屈になる要素が目立った。
絵柄と寝室が気に入れば
戦闘は敵が弱くて1~2ターンで終わってしまうとはいえ、エンカウント率の高さやシステム面の不便さは積み重なれば結構な手間となる。
クリア後はそのまま続けることができ取り逃したアイテム収集行脚ができるが、多くのダンジョンは閉鎖されて入れないから続けて遊ばせる意味がない。
70ある収集アイテムは1周クリア時点で65。残りを集めるため新鮮味のないしらみつぶしのローラー作業をやろうとは思えないし、ダンジョンで取り逃していたのなら閉鎖されて取り返しがつかない。クリア直前にエンカウント無効装備を手に入れられるとかチグハグすぎやしませんか。
プレイヤーを遊ばせようという工夫なんだろうけど、やり込まないと見せませんを地で行くわりに不備が目に付く。
物語も綺麗に落ちるとはいえ過程の描写が物足りず遊び終えたところで満足感は得られなかった。寝室そのものが気に入らないと不満のほうが上回りそうです。
・テキストスキップあり
・回想開放なし
・1周4~5時間
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